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瓦礫の死角 西村賢太

瓦礫の死角 西村賢太

表題作他、3編収録の短編集。私小説だが、主人公を僕とか私でなく貫多で書き進めている。

ストーリーだけでいうと、バイト先の従業員とのやり取り、よく見かける大学生らしき女性への恋愛の気持ち……等、たいしたことないどこにでもある平凡な日常だが、主人公の他者や世間に対する目が、ひねくれていて大変面白い。人間だれしも貫多のように他者と自分を比べ、時には優越感に浸り、またある時は自信喪失するものである。